FD1139T修理的な何か

PC-9801 NS/A(NX/C、NS/R)の3モードFDD、FD1139Tの修理的な何かをしたのでメモ。

分解前に、逐一写真を撮っておくことを強く推奨。

前情報として

FD1139C・FD1139Tの分解と修理

が非常に参考になった。その補足的な形で、手順は以下の通り。

1.ケーブルとフラットケーブルを抜き、プラ製のマウンタ的なものを外す。ネジはFD挿入口反対側の2本。なぜか挿入口側はネジがない。

2.非常に細かいネジが4本あるので外す。なくさないよう注意。

3.金属製のフタは2か所大きなツメで止まっており、ツメ付近のすき間からマイナスドライバー等を挿入し、慎重に浮かせる。フタは非常に薄いので変形に注意。

4.フタが開いたら金属製の梁状の板金を外す。

5.挿入口のフラップを外す。軸になっているプラが非常に細いので、折らないよう注意。バネがどのようについているか撮影推奨。

6.イジェクトボタンがついた状態で、ボタンを押しながら、ボタンがついている板金をマイナスドライバー等で中央方向に押し、レールから外す。

7.FDが挿入される板金部品(カセットホルダーというらしい)が浮き上がるので、黒いプラ板(ヘッドアーム)を持ち上げながら、カセットホルダーを取り外す。外したら、6.でレールから外したイジェクトボタンはレールに戻しておく。

8.コンデンサ交換。ヘッドアームに高さを稼げるモノをはさんで浮かせた状態で、10V 10μFのラジアルコンデンサが2本ついているので交換する。ルビコン製、16V 10μF、径4mm、長さ7mm、105℃品が使える(寸法的にはFD出し入れに支障なし)。脚の曲げ方は要工夫。すぐそばにフィルムケーブルがあるのでハンダごてで焼かないよう要注意。カプトンテープで養生推奨。ロット次第ではセラミックコンデンサの場合もあるとか。

9.できれば古いグリスをぬぐい、新しいグリスを塗る。AZ製シリコングリスを塗ってみた。塗る箇所は古いグリスですぐわかる。ホコリも清掃する。ヘッドも綿棒にIPAをつけ清掃する。

10.外したカセットホルダーの取り付け。ヘッドアームを持ち上げ、ホルダーを外した時のようにイジェクトボタンも押しながら慎重に取り付ける。奥側の高さに注意。ヘッドアームがナナメになっている場合は低すぎるので、水平になるよう取り付ける。受け側の金具のカギ状部分と、カセットホルダーの棒状部分が合わさるように。

11.外したフラップを取り付ける。バネの短いほうはフラップの内側へ、長いほうはカセットホルダーの棒状部の下から回り込むように。

12.金属の梁を取り付け、フタを取り付けてネジ止め、フラットケーブルを刺し、プラ製のガワを取り付けて完了。

まあ、ここまでやっておいて動作テストはまだなんだけど。後日追記予定。

ちなみに僕はここまでFD1139Tを2台破壊しちゃっている。

1台は8.のカセットホルダー取り外しの段階で、なかなか取れなかったので引っ張りすぎてしまい、ヘッドアームにぶつかって外したし、もう1台は10.カセットホルダー取り付け段階でヘッドアームがナナメなのに気づかず、不完全な状態でFDを無理やり入れ、ヘッドを破壊してしまった。勉強にはなったけど・・・

ということで最も神経を使うのはカセットホルダーの脱着です。

おまけで7.カセットホルダー取り外し直後の写真をペタリ。

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追記。動作問題ないのを確認。