栄久庵憲司講演会に行ってきた。

車椅子で登場したので驚いたけど、数年前に脳梗塞を患ったとか。でもしゃべりは至って達者でしたよ。
白い海軍制服に憧れて入隊したこと、復員後に広島の焼け野原を見て何もないことに不自然さを覚えたこと(駅から海が見えたとか)、モノを再登場させて日本を豊かにしようと思ったこと、嫌々入った仏教学校時代に知恩院に寄宿し国宝に囲まれて過ごしたこと、葬式に出た時に仏さんの組まれた手が外れて驚いたこと、芸大在学中にGKグループを作ったこと、コンペで得た賞金を学費に取られたことなど・・・いろいろなことを丁寧に話してくれたのです。
モノは無いけど、自分たちがこれから日本を豊かにしていくんだ、と思える熱い時代にデザインで貢献してこられたことはうらやましくさえ思えました。
GKグループの由来について、G(がっちり)K(かせぐぞ)とか、G(芸者)K(会社)などととぼけて笑いを取っていましたが、G(グループ)K(小池)が正式です。常識だろうか?さっき調べていたら、小池岩太郎という人らしいのが分かった。
僕の大学の先生にもGK関係者が何人かいたけど、GKの人は皆丁寧な話し方で、デザインへの真摯な思いが伝わってくるのが分かりました。ゼミの先生もGKだったっけ。決して進んで組織名を言いたがらなかったのが印象的。
話がずれたけど、講演の最後には栄久庵氏の乗っている車椅子の紹介があり、これもGKデザインとのこと。ステップを屈まずに手元で操作できるようにしたそうです。市販されてるのかどうかは不明。
公開講義ということだったので、主催のICSという専門学校の学生もたくさんいたけれど、寝てたりしてあまり態度が良くないのが多かったかな。勿体ない。